早稲田にて

これはもう一昨日の話だが、ゲスト参加した某協会でのイベントが無事終わる。


午前中は3つの発表が予定されていたのに一人体調不良でキャンセルになったらしく、一番最初の発表への質疑応答が延び延びになり、議論百出状態に。そんななかでもM藤先生のナイスなアシストとK下さんの巧みな議論の交通整理が光る。二つ目の発表はDHLの戦争詩を紹介するもの、これが実に異様かつ異質な想像力で面白い。


昼はカフェでカレーと軽く済ませて午後からシンポメンバーと打ち合わせ、1時間ほどやって本番へ。初っ端の出番でひさびさに緊張して声に力が入るが、早口でしゃべってもけっこう時間オーバーしていたようだ。休み時間中に反省したのに、結局質疑応答でも司会のA井先生の制止を振り切ってずいぶんしゃべってしまう。この言い訳をすると、めったにない機会なので、どういう専門意見を伺えるのか、興味津々だったのです。比較的活発なやり取りができたと思うが、なかでもケインズとの関係などを指摘したK藤くんの質問は、今から思いかえすと非常にするどく興味深いものがあった。


その後大隈講堂の脇で懇親会、二次会は神楽坂の飲み屋。O田島先生からは昔私と同じ大学に勤めていらした御父上のお話を伺い、非常にユニーク。あと、その日のシンポの話題はDHLの演劇作品なんかが素材として良かったのではないか、という貴重な示唆をもらう。確かにそうだ。隣に座ったK下さんからはいくつか参考になりそうなテクストの情報を得、その後E藤先生とは昔読んだ懐かしいとあるフロイト研究の話題で妙に話が盛り上がる。ずいぶん昔に読んだもので、おそらくまったく理解はしていなかったのだろうが、それでもなお、あれは今の私のものの考え方のひとつの出発点になっていたのかもなあ、と思いつき、久々に読み返してみたくなった。関連する話題だというご訳業も今から楽しみ。そろそろだとか。


帰り道ではオーディエンスだったある先生からは「結局煙にまかれてしまった」という感想をいただいたので、どうやらあまり私の言いたいことは伝えることができなかったみたいだけど、総体的にみて今回のイベントは非常に興味深い経験になったと思う。ぜんぜん違う対象を研究しているとしばしば使う言語そのものが違ってくるもので、そういう共通了解の欠落したところにどうやって橋を架けることができるのか、できなかったのか、後者なら、これからどうやって自分の言葉を創りなおしてゆけばいいのか。なんだかんだで、自分を省みる機会になりました。


いや、にしても5月、6月の連チャンはけっこうキツかった。でも、しばらく仕事はお休み、というわけには、多分いかないですよね。続けて頑張ろう。