どうしよう

Manifestoes: Provocations of the Modern

Manifestoes: Provocations of the Modern


Poetry of the Revolution: Marx, Manifestos, And the Avant-gardes (Translation/transnation)

Poetry of the Revolution: Marx, Manifestos, And the Avant-gardes (Translation/transnation)


詳細についてはすでにid:shintakにてかなり大々的に宣伝がなされているようなのでもはやなにをかいわんやなのだが、さて、どうしよう。今回ばっかしは話を回されたのが急過ぎて、時間不足が目に見えている割には、テーマがやたらと大きくて、はじめてみれば興味深い素材も多い。すでにやる前から、どこか別のところで「リベンジマッチ」を構想したほうが良いのではないか? とか思ってしまうが、まあその前にあと二週間を切っているわけなので、なんとかまとめないといけないわけで、いや、さてどうしよう…。


とりあえず今回のお題目の中心になる以上二つの著作について、関連しそうなところだけはなんとか目を通す。Janet Lyonは以前からタイトルは知っていたが、今回あらためて読んでみて、率直に感銘を受けた。目の付けどころといい、素材の料理の仕方といい、危なげのない解釈といい、巧さが際立つ著作。ただ、「マニフェストの歴史研究」ではあるものの、具体例が17世紀、フランス革命モダニズム、1960年代、と飛び飛びで、実際は事例研究の寄せ集めみたいに読めてしまうことが残念。でも、(初期)モダニズム研究だけ取ってみても、大いに価値のある著作だと思うし、非常に勉強になった。今後いろいろ役立てられるものを得させてもらった気がする。対して、Puchnerはもっと野心的で、19世紀以降の「政治」「芸術」両方の分野におけるマニフェストの歴史研究に狙いを定めて、前衛芸術運動だけを取ってみても未来派から、ロシアアヴァンギャルド、渦巻派、ダダ、シュルレアリスム、シチュアシオニスムetcと王道をさらい、なおかつマルクス研究としての意義も、みたいな贅沢な研究であり、その枠組みとなる理論の切れ味の鋭さは一級品、なのだろうが、正直その分、個々の素材の味付け(解釈)はしばしば大味な気がした。生産性の高い図式には違いないが。


まあそれはいいとして、本当にどうしようかなあ。