マイケル・コリンズ

マイケル・コリンズ 特別版 [DVD]

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麦の穂をゆらす風』でもテーマの一つになっているが、アイルランド自由国創設のための英国との条約で譲歩と妥協を迫られた独立派は分裂し、結果として血で血を洗う内戦状態を招いてしまう。いまだにアイルランド史を語る際はタブーの一つになっているらしい。ニール・ジョーダンケン・ローチではこの条約反対派の描き方が微妙に異なっている。前者では独立運動のリーダーたちの主導権争いに焦点が当てられ、後者では反対派の代弁者になっているのが労働者(汽車の運転手)だったりして、「独立=社会革命」でなければならない、という主張をしていた。自治のみでは社会的敵対性は容易に廃棄できない。


こういう微妙な問題の扱いについては、映画はノンフィクションではなくて結局ナラティブなので歴史のことは勉強しなければ分からないな。推測で言えるのは、実は英国側は独立派の分裂まで見越した上でそういう不十分な条約を押しつけたのではないか、ということ。ロイド・ジョージとか、チャーチルとか、老獪なやつらばっかりだったしね。この問題について何か定評ある歴史書があれば読みたい。