無題

ひらがな日本美術史 7

ひらがな日本美術史 7


新刊が出たばかり。昨日、時間があったので本屋で軽く立ち読み。橋本治のエッセイはしばしば何を言っているか分からないことがあり、ちょっと敬遠しているが、彼の美術批評エッセイはとても面白いと思う。一方で東山魁夷の『道』の通俗的な精神性に皮肉を言いつつ、青木繁の天才性や川端龍子(りゅうし、男性である)の大作絵画の俗悪を恐れないわくわくするような面白さを評価するあたりなどは、まことに共感しきり。


そういえば昔、書店で橋本治のイラスト集を見つけてそのクオリティの高さに驚いたことがあるんだけど、どうして彼は絵筆を捨ててしまったのだろうなあ。幼稚園・小学校と「画家になりたい」、という将来の夢を持っていた僕としては、描ける人がなぜ描くことをやめてしまうのか、関心がある。