天蓋

 


嬉しいことに、ロンドンの友人から写真メールが届く。これは大英博物館図書室の丸天井。ディケンズ、ワイルド、バーナード・ショー、19世紀以降の作家たちは、みんなみんなここで学んできたのだ。国際的にも開かれた場所だったようで、マルクスレーニンですらここで本を読んで研究に勤しんだとか(マルクスなぞは30年以上ここに通いつめて『資本論』を書き上げたそうだ)。それはもう、たいへんなものだ。


1997年にユーストンの新館がオープンするまでは大英図書館としても機能しており、その後2000年まで一旦閉めて改装していたので、内部は小奇麗になっており、そこで学んだ作家達の著作が展示されていたりもする。そういえば僕も昔行ったなあ、写真は撮らなかったけれど。なつかしい。


一心不乱な読書に疲れた彼ら、彼女らは、ふと机の上のページから目を挙げて、この天蓋をじっと眺めたりもしたのだろう。そうした無数の視線が降り積もり、やがて、一つのイメージを喚起する。