エスノロジー

昨日の本を朝の電車のなかで読了する。話が落ちているような、落ちていないような。

エスピオナージのネットワークを兼ねるエスノロジーの知=権力と宗教的言説との関係が気になる。*1前者は後者を相対化しきっているのか?そもそも当時のインドにおいては、さまざまな宗教のあいだに本当にこれほど寛容な相互理解があったのかな。この点が特に気になるのは、現代ではグローバリゼーションと原理主義との不毛な二項対立が常態化してしまってるからかもしれない、と思ったり。

帰りの電車の中で別の本を読み始める。この項との脈絡はないのでその感想はまた別の機会に。

帰ってテレビを見ていたら、ふと「簗図屏風」*2を思い出させるシーン。あれほどのものにまた出会えるのはいつのことになるだろうか。

*1:これがサイードオリエンタリズム批判の対象なのは自明。小説中で権力と科学の結びつきは隠されてすらいないし。ところで、いわゆるエスノロジーとアンソロポロジーは当時ではどのように異なるんでしょうか?

*2:ニューヨークのプライス・コレクションの一部。この夏に上野で二度ほど見に行ったが、本当にすばらしかった。この対になるという屏風は京都のどこかにある、という話だったかな。どこだろう?