ユートピアという名の欲望

未来の考古学 第一部 ユートピアという名の欲望

未来の考古学 第一部 ユートピアという名の欲望

まだ書店では見ていませんが、どうやら出たみたいです。ユートピア論。第二部も大変ですが、がんばりましょう。


ところでこの本のタイトルをつけるにあたって著者のジェイムソンは、やはりル=グヴィンのいう「未来の考古学」を意識していたのだろうか? 例えば次のようなくだり。

死者とまだ生れぬ者たちと、どちらが遠く、手がとどかないだろう。どちらの声が聞き取りにくいだろう。アザミと土と"過去"の墓石の下に埋もれた人びとと、分子にも縛られないほど軽やかで、一日が一世紀にあたるような時間の麗しき住人、つまり"可能性"という釣り鐘曲線の大いなる山に埋もれた人びとのどちらが?*1

*1:『オールウェイズ・カミングホーム』上、p. 12