任務終了

昨日は某学会のシンポジウム。


お昼を兼ねてファミレスでだべっていたら、司会、パネリストの3人ともども仲良く遅刻しそうになり(いや、実際にしていたのかも?)、はじめかなり焦るが、なんとか無事に終わる。


けっこう時間いっぱいだったので、いろいろ興味深い論点が出ていたのに質疑応答で深める余裕があまりなかったのが残念。しかし、イギリス、アメリカと、ぜんぜん違う(と思われている)文学史的文脈にあるものを持ってきているのに、ここまで全体としてまとまった印象を作り上げることができた(ような気がする)のは、一方では「同時代だからあたりまえ」という意見もあるかもしれないが、他方ではやはり両地域のモダニズム研究の交流の機会というのはあまりないのが実情であって、個人的にはすごくうれしく、もっとこの方向で研究プロジェクトを展開するべきではないかとの思いを深くした。


そういう貴重な機会を提供していただいた関係者の方々にお礼申し上げます。


ちなみに個人的に収穫だったのは、M先生の発表で言及されていたアメリカ文学におけるLiterature of Freedomの伝統、すなわち『ハックフィン』から、『路上』に至る社会のアウトサイダーとしての放浪者/浮浪者像が、じつは19世紀から20世紀前半に至るイギリス文学にも(もしかしたらアメリカに比べるともっとマイナーなのかもしれないが)見いだせるのではないか、という思いつきで、実はこれはすでに以前に別の論文で考えてみたこととすこしからんでいるのだが、英米自由主義の伝統の相似と相違を踏まえて、もっと掘り下げてみる価値のある問題かもしれないと思った。


懇親会では昔の恩師と再会。10年以上前の卒論面接での論争を蒸し返していただく。そんな昔のことを記憶にとどめていて頂き、なんとも恐縮です。お元気そうで本当になにより。