雨の火曜日

先週末は土曜も日曜も研究会。土曜はヴィクトリアン/モダニズムポストモダンと内容豊富。2つの発表が方法論的には歴史主義と理論的研究で別れていて、いいバランスだったと思う。


日曜のほうはポストコロニアリズムにおける翻訳理論との接点、という話。スピヴァクetcなど、脱構築系の批評家はしばしば「翻訳」をキーワードにみずからの思考を展開したりするわけだが、その影響なども随所で見られつつ、同時に欧米でのいわゆる「翻訳学会」の成長・展開からすると、「もっと地に足のついた翻訳実践はどうなの?」みたいな反応もあるらしい、という話を、この夏にヨーロッパのセミナーに参加したという発表者の方から伺い、なるほどねえと思う。課題図書のVenutiの本は、翻訳家の地位が低い(まさに「不可視」の)欧米圏の文脈に置くと、専門家集団の養成とディシプリン化による権威獲得の戦略の一環としても理解できる、というか、そのほうが理解しやすい。いわゆる「翻訳大国」といわれる日本で考えるには、むしろ互いの文脈のズレに徹底的に焦点をあわせた考察ができたらさらに面白いのではないか、と思った。


本日は研究日だが、所要があって区役所に。帰り際にふと見かけた中華料理屋(鍋屋阿佐ヶ谷店)でお昼、海老チリ定食。雨の日は100円安くなるというサービスがありがたい。ちなみにご飯もお代わり自由で、おおきなおひつに入って出てくる。ところでさいきん、日本の食事は「しょっぱい」とよく言われるので、そうかなあ、と思っていたが、この中華屋の麺のスープを飲んでみて、中華のスープはほんのりとした甘さがあるなあ、と感じた。たしかに、これに比べると日本のラーメンは(みそ汁とかも)わりあい塩分多めかもしれない。炒め物とかの場合でも、にんにくをあまり使わない分、どうしても塩気が多くなってしまって、たいていの人の味覚がそちらに偏っているのかも。気軽に入れる雰囲気のお店ながら、けっこうおいしかったのでメモ。