ワイルド


後期の授業準備の一環として観る。1945年公開のハリウッド映画のようだが、よくできていて堪能したのでメモ。


まず、ドリアンが画家を殺害する場面の陰影の処理とか、けっこういい(シャンデリアが揺れ、光の当たったドリアンの顔に、死体の影が執拗にちらつく)。基本白黒映画なんだけど、ドリアンの肖像画だけカラーで表現されているところなんかも面白い。最後の方のドリアンの肖像画なんか、まるでシュルレアリスムである。


監督はAlbert Lewin、ほかにモームの『月と六ペンス』、モーパッサンの『ベラミ』(ちょっと見てみたい)なんかの映画化を手掛けているらしい。