大衆音楽

先日書店で見つけた本。


音楽というジャンルについていうと、僕は決して嫌いというわけではないのだが、なぜか若いころにまったく音楽を聴くという習慣がなかった時期がわりと長くあって、現在はそうでもなく普通程度には音楽を聴くけど、それでも恥ずかしながら、ほかのひとにとってはかなり常識的なミュージシャンの名前すらまったく知らなかったり、ということが実のところいまでもしばしばある。


というわけなので、僕がこの本を読んで「勉強になった」といってもあまり参考にはならないだろうが、率直に言って勉強になった。ミソなのは、これがいわゆる音楽の「専門家」による音楽研究ではなく、著者自身が言うように「大衆音楽の文化史」になっているというところか。


著者の専攻は「文化地理学」だという。地理的な移動や空間の政治学との関係で音楽がジャンルをいかに横断し、越境していくか、という観点で、ちょっと理論的な語り口はまあ、好き嫌いが分かれるところかも。僕は面白かったです。中盤のロック、パンクのあたりはわりと普通な気がしたが、後半のレゲエとジャマイカ、ヒップホップ、ラップなんかの記述はとても面白い。


しかし、略歴を見てちょっとびっくり。1975年生まれとは…。