エディプスSF


グローバル化した未来の地球では、全世界が「内側」(シカゴ、上海など、密な航空網で互いに結びつけられた都市部)と「外側」(砂漠化した一面の荒野)に分けられていて、「パペル」という許可証を持たないものは内側に住む権利を奪われて放逐される、そんな世界。「内側」に住む人間の生体情報はすべて「スフィンクス」という世界企業が一元管理しているらしく、「パペル」発行の許認可権を一手に握っていて、行ってはならない場所、あってはならない出会いなどを、ことごとく禁止し、しばしば記憶ごと抹消している。そうは言っても偶然の出会いというものを消し去ることはできないわけで…というところからドラマが始まる。人工授精やクローン人間というSF的な道具立てと、エディプス神話という古典的な物語を組み合わせてかなり成功している例。


しかし、『マイノリティ・リポート』にも出てたけど、サマンサ・モートン、いい役者だなあ、と感心する。