ゴールドフィンガー

今朝の朝日新聞日曜版を開いたら、ロンドンのモダニズムリバイバル期の建築だという「トレリック・タワー」というのが紹介されている。設計はハンガリー出身のエルノ・ゴールドフィンガー(1902-1987)、パリで建築家となり、コルビュジエジョン・ケージと交わるも、1930年代に英国人と結婚して拠点をロンドンに移したそうだ。で、知り合いだった作家イアン・フレミングに007シリーズの悪役として名前を使われる、と。なんともねえ。*1


こちらをたどると、建物の外観が見えるけど、まあ、ぶっきらぼうな長方形である。新聞に載っている内装の写真はきれいなのだけど。仮面としての外装、内面の豊穣?


この記事を書いている松葉一清氏によると。1970年代にはモダニズム的な即物性への批判が強くて、この建物もずいぶん不遇をかこったそうだが、1980年代以降、サッチャリズム規制緩和の時代に、バービカンセンターともども、不動産として再評価を受けたという経緯があるそうだ。ふーん。バービカンは一度行った事があるのですが、改修中だったからか、天井が低い、汚らしい建物にしか見えなかった。トレリックタワーはゴルドホーンロード沿いにあるとのこと。どこらへんだろう?


ところで、このBBCOpen Universityのサイト、充実してますね。イギリスにおける建築モダニズム受容の参考に。

*1:新聞記事では「アーノ」になっていたが、ネットでのカタカナ表記、圧倒的多数は「エルノ」だったので変更した。ちなみに、このサイトイアン・フレミングとのひと悶着が説明されている。なかなかひどい話だが、ちょっとフレミング、やることが無茶苦茶すぎるのでは…。さながら、007 vs サヨク寄りの近代建築家?勝手に名前を使われる当事者にとってはたまったものではないが、まるで何かのネタのようだ…。冷戦時代って、こんな感じだったのか。