ゴシック・オースティン

なぜか某作家協会のシンポを拝聴。ウルストンクラフトとの結びつきを探る、というお題でとても勉強になった。ゴドウィンの書いた伝記がはた迷惑なゴシップものだった、という話だが、無政府主義者としてはありのままを伝えたかったのかなあ、などと想像。発表ではゴシックものと歴史ものが特に興味深かった。通説ではゴシックをパロディしているともっぱら評判のオースティンだが、女性ゴシックの伝統を踏まえると、そうとも言えず、当時の家庭に囲い込まれた女性の苦難/受難を描くオースティンが見えてくる、と。ウルストンクラフトの小説面白そうですね。オースティンの読んだ本をつぶさにたどる歴史家の努力には頭が下がる。『オースティンとお嬢様ヒロイン』という本がいいらしいと教えられる。