夜の三味線弾き
仕事場から最寄り駅まで歩く途中に、比較的大きな噴水のある公園があるのだが、今日の夜、仕事帰りに通りかかったら、謎の三味線弾きがベンチに腰をかけて高らかな音色を奏でていた。練習かな?
風情があって良いんだけど、もっと真夜中だったらちょっとコワイ。
- 作者: ヤスミナ・カドラ,藤本優子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/03/23
- メディア: 単行本
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ヤスミナ・カドラが良いという話は以前から聞いてはいたのだけれど、これが初読。たしかに良い、というか、凄い。本人はアルジェリア軍の元将校で現在フランス在住、女性のペンネームは、正体を隠して検閲を逃れるために使っていたとか。しかし、この話…。医師として社会的に成功し、幸福の絶頂にあった筈の主人公(ベドウィン族出身の帰化イスラエル人)の妻が突然に自爆テロを起こし、彼は事件の背後にある謎と不可解な動機の解明に向けて、狂おしく絶望的な探求へと巻き込まれてゆく…。こういう話は書ける作家と書けない作家に分かれるだろうし、ヤスミナ・カドラは、もうどうしようもなく「書けてしまう」作家なのだろう。
恐ろしい、だが、読んでよかった。