本を燃やす
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前者は、はじめはちょっとキッチュなSF映画のような仕立てになっているが(もしかしたら「今から見れば」ということかもしれない。<消防士>たちの出動の場面が日本の安手の特撮怪獣もののように見えてしまうし、モノレールなんかもずいぶんレトロな雰囲気だ)、後半からはどんどん詩的になってゆく。自分の書物たちと共に自ら焼身自殺を遂げることを選ぶ老女の衝撃的な画面は、焼け落ちるジャンヌ・ダルクのスチルと重ねあわされる。
最後に近い場面で、自ら本となることを選んだ老人の死期が近まり、雪の降る川辺で自らの「内容」をまだ小さな少年に受け渡そうとする、そのシーンが記憶に焼きつく。これはなかなか心に残る映画だった。
後者は単に「中世の修道院」ではなくて、「写本の時代の終わり」を告げている、ということなのではなかろうか。悪い映画ではないと思うけれど、わざとグロテスクに演出しているような場面があって、この映画のテーマにはあまり必然性がなかったのでは?と思った。